絶縁アンプ「TLP7820」

パワー系の回路ではセンシングしたアナログ信号を絶縁したくなる場面も多く存在します。今回は、絶縁アンプを使ってアナログ信号を絶縁する手法を試してみました。

アナログデバイセズやブロードコムなど各社から絶縁タイプのアンプが販売されています。今回は、東芝製の絶縁アンプ「TLP7820」を用いることにしました。

TLP7820 | 東芝デバイス&ストレージ株式会社 | 日本
アイソレーションアンプ、 Photocoupler(Isolation Amplifier), Analog output, 5000 Vrms, SO8L(LF4)|データシートのダウンロード、製品概要を確認することができます。

評価回路

東芝が公開しているリファレンスデザインを用います。フィルタ定数やオペアンプは手持ちの素子に合わせて変更しています。

アイソレーションアンプTLP7820応用回路(電圧検出)

RD014 | 東芝デバイス&ストレージ株式会社 | 日本
サーボやインバータ等のモーター制御におけるバス電圧変動検出に用いられる薄型パッケージ光結合型アイソレーションアンプの基本特性の解説、応用回路例、設計ガイド、シミュレーション例を提供。

この回路は、±200mVの入力信号を1.65Vを中心にした0~3.3Vの出力信号に変換します。マイコンのAD変換器への入力へ適した信号レベルに変換できるようになっています。

動作確認

特殊なパッケージサイズなので基板加工機で専用の変換基板を作りました。この時、すべての回路を基板化する気力は無かったので、変換基板を使ってユニバーサル基板上に回路を製作しています。

当初、絶縁した出力にノイズが乗る現象が発生しました。

TEFSOMさんのおかげで無事解決しました。
Vin-とGNDが接続されていないことが原因でした。Vin-とGND間のインピーダンスが大きくなると入力信号が適切にAD変換されないようです。コモンモードノイズの影響を受けてしまうのだと思います。

3,4番ピン接続前、周期的なノイズが乗る
3,4番ピン接続後

3,4番ピンを接続すると綺麗な信号出力が得られました。

オシロスコープとシグナルジェネレータを用いて周波数特性を取得してみました。オシロスコープの電圧測定機能を用いて入力信号レベルと出力信号レベルのピーク値を取得して、ゲインを算出しています。オシロスコープの振幅分解能が8bitしかないので参考程度ですが、データシートに記載されている通りの周波数特性が得られることが分かりました。

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